Gallery MORYTA

小林健二 - INNER scapes -

Kenji Kobayashi Exhibition

2000年10月10日(火) - 11月 5日(日)
小林健二  - INNER scapes -

ぼくは子供の頃からどうゆう訳かラッパみたいだったり管のあるものや、透きとおっていて内部がうつろなもの等に魅かれる事が多くて、よく絵にも描いたりしていました。どこかぼくの心の深いところで、どのようにかそれらと繋がっているのかも知れませんが、本人にはよくわかりません。しかしそんな訳で、ぼくはクラゲの仲間や双子植物のトラパリンネやキラリヤ種の菌類、そして腔腸動物のトレマディクチオンなどが好きなのです。

小林健二

この展覧会は、小林健二が幼少の頃から持ち続けている美への視点にスポットを当て、そこから見えてくる心の世界に触れてみようと企画されたものです。小林健二の興味の対象は多岐にわたり、博物的な広がりを持っています。自然の不思議な造形を、少年のような好奇心で見つめるという行為自体が、すでにアートの世界であり、驚異との出会いでもあるのですが、それが小林健二の手によって、油彩画や焼成物、人工結晶などの形となって生まれ変わり、見る者の心にそれぞれの風景を飛来させる魔法となるのです。この詩的な美しい作品は、同時に力強い夢見る力を持っています。それは彼の毅然とした生き方が、作品に溶け出したような輝きを持たせてみえるためだと思います。
 

現在、芸術は人々にとってどういう意味を持つのでしょうか。また、社会にとってどういう役割を持ち得るのでしょうか。そんな根源的な問題に今の美術界は直面しています。そうした中で、企業メセナのギャラリーや、公立の美術館と共に、人間の心に真実を見い出す力を呼び醒ますアーティストの作品をご紹介できるのは意義深いことです。
 

何かを探し求めようとしている人たちと、作品や表現を通して目には見えない交流をかわすことが、アートの一つの姿であると考える小林健二のメッセージを、  Galerie CAZUQUIの大きなテーブルを囲みながら、多くの人たちと分かち合いたいと思っております。
 

宝物を発見した時の、ときめきのようなものを、誰かに伝えたいという純粋な思い・・・
それを忘れないことが、芸術の根底を探るひとつの手がかりかもしれません。
 

小林健二の作品は、人と人、心と心を結ぶ掛け橋です。それは彼の社会に対するありようそのものだと思います。私たちが作品の前に立つ時、懸命に生きる人間の姿、すなわち自分の姿を見い出さずにはいられません。