Gallery MORYTA

堀越千秋 展 - とんぼのあぶく -

Chiaki Horikoshi Exhibition

2000年9月12日(火) - 9月30日(土)
堀越千秋 展 - とんぼのあぶく -

2度と来ない、
   永遠の、夏の形見       
 
   山のキノコ...
       大きな二つの実...
  水中のヤゴ... 
      雨の気配...
     カゲロウと風...
         貝のふた...
   鮎の卵...
     夕涼み...
   木の根...
       雷雨。

※ 新潟県小国村芸術会館で展示された約30点の作品を出品。

 
「ピカソとART」
 
 さて、遠く西方から日本を見るとどう見えるか。スペイン人を当地の肉屋に例えるなら、日本人は蒔絵の職人である。下地から筆致の一毛に至るまで、「責任」がかかってくるその絵!

 
 蒔絵は「工芸」といわれ、ピカソはARTといわれる。工芸とARTの違い、とは何か?工芸は世界的内存在であり、つまり「用の美」、「世界」の中にもともとしかるべき寝場所がある。
 

 一方ARTは存在に問いを発する全体性(=人格)を持っており、「世界」の中には死場所しかない。むろん、両者の違いは感覚的なものであるが、日本人の好みとするところは、おおむね、「役に立つ」や「使える」であり、「趣味と実益」であり、あるいはお縄を打たれて神妙に白洲にうなだれている懐石料理みたいにチンとおつにすまして納まりよく「キマッて」いるもの、つまり工芸に傾いているのである。
 

  昔から銀座のギャラリーを見歩いて楽しんだ記憶がないのは、蒔絵の重箱のスミばかり見せられるからだろう。歩き回って楽しいのはスペインのギャラリーで、各自が傍若無人にエネルギッシュで、人間がなにかを言っている感じがあるからだ。
 

 死んだゴッホに大金を出すのに、生きているゴッホ達にはハナもひっかけない、
(これは生命保険会社だからかもしれないな)こういう「文化国家」日本は、まだ重箱の中の鎖国なんだ、と本当に思う。
 

  それじゃ、この「芸術国家」スペインはどうなのか、といえば、僕のアトリエの下の石ダタミの上を、ジプシーがラッパを吹いて小銭をせびったり、刑事が大きな拳銃かついで走り回ったり、ひったくり男と淑女がハンドバッグでつな引きしていたり、モジリアニの恋人だったという老女がカフェで足組んでいたり、ジプシーがベンツでフラメンコの宴の誘いに来たり、ベルリンで個展が始まったばかりの友人が赤ん坊のミルク代借りに来たり。

堀越千秋
                              

■ Opening 9月12(土)pm4:00~ 「堀越千秋を囲んで」